スクリームとデスボイス

長くて面倒だったら色のついた字と太字だけ読めばだいたいわかるかもしれない。

(スクリームやデスボイスを卑下したり優劣をつける意図は全くありません。僕はスクリーモデスメタルも大好きですし、スクリームもデスボイスも大いに使ってます。ちなみに「デスボイス」は和製英語です。海外では主にGrowlと言われます。)



Foreground Eclipseの音源を聴いた人の感想を目にするとき、「女性ボーカル&デスボイス」という表現をしているのを非常によく見かけます。基本的に僕は自分が一番頻繁に用いているあの叫びの発声法を「スクリーム(scream:叫び声、悲鳴)」と表現するし、もっと万人向けの表現をするときは「シャウト(shout:叫び声、大声)」と言います。もっともシャウトというとポップスやメロスピなどで大声で高音メロディを歌う時にも用いられる表現なので微妙なのですが。


ここからは基本的に僕の持論なので全て鵜呑みにはしないでください。


まず、スクリームは"デス"ボイスの中には含まれません。両者の違いで最も分かりやすいのはおそらく用いられるジャンルが違うことでしょうか。たとえば前者はハードコアやスクリーモ、後者はデスメタルやゴアグラインドとか。ただ、それらは互いに近いジャンルですのでそれだけの分類では不十分です。


というとまず「スクリームとは何か?」「デスボイスとは何か?」ということになると思いますので僕の意見を述べると、

スクリーム人間としての自分が抱える社会への不満や秘めた感情の高ぶりを吐きだす叫び声であり、デスボイス死者や悪魔的なものの咆哮を模倣したり、恐怖・悪意・凶暴さ・残酷さなどを聴き手に想起させるような叫び・唸り声です。


これは誰が決めたんだ?というと別に誰でもないですが、後者に"デス"という言葉が含まれることが論拠です。デス(死)メタル、ゴア(流血)グラインドと書けばわかりやすいでしょう。


こんな感じでスクリームは「メッセージ性」、デスボイスは「残酷さ・凶暴さ」をいかに強調するかに重きが置かれます。スクリーモバンドの大半で痩せた青少年がTシャツ一枚で騒ぎながら叫ぶ一方、デスメタルバンドの大半で悪魔的なモチーフのCDジャケットを用いたり、音源でピッチシフターを使って気味悪さを増したりするわけです。


しかし、直球で「発声法の違いは?」といわれるとまだ両者の境界線は曖昧なので正直難しいです。よくある感じならスクリームは喉から出す感じで、デスボイスは喉から食道のあたりまで震わせる感じ?うまく説明できない。
Barrage Am Ring 0なら、スクリームは「ノーザン・キラーfeatアルベルトオブジョイトイ」さんと「Foreground Eclipse」で、デスボイスがそれ以外かな?とか思いますが、各ボーカリストさんに聞いてみないと精神的背景まではわからないので微妙なところです。個人的にはどんなに泣きの感情むきだしっぽい感じで叫んでいても、それが「人を殺してその血をすすってやる!」という歌詞ならデスボイスだと思います。逆も言える。

二つの発声法の聞こえ方は似てるといえば確かに似ています。どちらか出来るともう片方も出来ちゃうパターンが多いと思います。でも、全く違うものだということを分かってほしい。スクリームを"デス"ボイスと言わないでほしい。呼び方はスクリームが一番いいけども、「シャウト」や「叫び」でも僕は良いです。僕は今回のふぉあぐらのアルバムで数曲デスボイス(グロウル)を使ってますが、使う目的はきっちり分けてるつもりです。



以上です。基本的に僕の持論なので全て鵜呑みにはしないでください。