トラウマ

今日、大井町ヤマダ電機で買い物してて、なんとなくふらっと6Fの本屋に立ち寄ってみたんです。

そしたらフロアに1歩踏み出したとたん、めまいと共になんだかよくわからない恐怖がゾワワッと全身を駆け巡りました。正体不明な不安感は、足がガクガク震え、その場で泣き崩れたくなるほどに強烈でした。

その直後に「はっ」と思い出しました。3月11日のあの地震が起こったとき、まさにこの6Fの本屋に居たんです。僕は本は基本的に古本屋で買うので、それ以降は特に立ち寄ることもなく今日まで時間が経っていました。

当時6Fの揺れはすさまじく、本気で命の危険すら感じていました。いまこの瞬間にも、理性ではまったく意識していなかったのに、自分の根底にある動物本能のようなものがこの6Fを明らかに拒絶している!こんな体験は初めてで、これがまさにトラウマなんだなと思いました。

原因がわかると、理性で落ち着きを取り戻そうとしました。とりあえずこの階には居たくないから下の階に戻ろうと、落ち着きなく震える足をなんとか動かして下りのエスカレーターに向かいます。

下りのエスカレーターに向かう途中には、筆記具のコーナーがあります。事態が少しずつ飲み込めてきていた僕は「あぁ、そういえば即売会とかで使う太い油性マッキーがないから買っていこう」と思い出し、そこに近寄りマッキーを手に取った瞬間・・・また意味不明な戦慄が走りました。そこで初めて思い出したんですが、あの地震の瞬間、僕は全く同じようにマッキーを持ってレジで会計をすませようとしていたんです。地震のときのこんな細かい事情は今日まで完全に忘れていたのに、また本能が状況を再現し、同時に警鐘を鳴らしていたんでしょうか。

もうその本屋のあらゆるものが恐ろしいものに感じられ、全身を駆け巡る戦慄にいてもたっても居られなくなりました。マッキーをほとんど押し込むように元の場所に戻して、駆け足でエスカレーターまで行き、階を後にしました。

「マッキーを手に取る」という行動は、深層記憶みたいなものなんでしょうか。とにかく本能というもの力をこれほどに感じたのは初めてです。怖すぎてもうあの場所には行けないかも・・・。